1. 酒粕の種類
米と麹を発酵させて絞られる日本酒からは、圧搾の段階で大量の酒粕が出ます。大吟醸酒のような高級酒は、袋で吊るして絞られるため、直後は柔らかく、非常に芳しい香りと濃厚な味わいが特徴です。槽(フネ)と呼ばれる旧式の搾り機で絞られたものは、それより少し硬くなります。一般に大型の連続式圧搾機で絞られると圧搾板の間に板状の酒粕が残ります。昔は、これを炙って砂糖やしょうゆで味付けをし、おやつ代わりに食したといいます。湯沢では「こっぱがす」と呼ばれ、大人のおやつとして楽しまれたようです。板粕は、空の容器(タンク)に空気を抜くように隙間なく押し、密閉して夏まで熟成させると、分解が進んで柔らかく、甘くなります。そのまま袋詰めしたものが店頭に並びます。
このように、絞り方で形状も味も異なる酒粕。その用途は、漬物(奈良漬など)の他、焼酎の原材料としても使われます。近年は、高い栄養価や機能性が注目され、様々な料理や化粧品にも応用されています。
2. 機能性食品としての酒粕
豊富なビタミンやアミノ酸を含む酒粕は、魅力的な機能性食品として注目される食材です。特に、アミノ酸の一種酒ペプチドは、血圧を下げる働きや肝機能障害の予防にも役立ちます。また、肌の老化を防ぎ、肥満を抑制、整腸作用も期待できます。このように、栄養価も高く、体質改善や健康維持に役立つ酒粕は、すでに多くの化粧品屋サプリメントとして私たちの身近なところで活用されているのです。酒粕の持つ魅力はますます広がります。
3. 湯沢で楽しむ酒粕食品
酒の町湯沢に酒粕文化を定着させ、観光誘客などにつなげる目的で立ち上げた「酒粕普及会」では、趣旨に賛同する湯沢市内各飲食店で開発したオリジナルの、キムチやアイス、パスタ、スイーツなど酒粕をアレンジしたメニューを提供する「酒粕食べ歩きマップ」を発行しています。気になるお店をチェックして、早速味わってみよう!以下のHPからダウンロードすることもできます。