1. 閉ざされた冬の貴重な副菜
豊かな自然に囲まれ、山川の恵みや米、野菜などの農産物に恵まれている湯沢市は、一方で半年間も雪に閉ざされる厳しい自然環境にあります。そのため、昔は秋に採れた食材を塩蔵し、冬の食料としてきました。さらに、おいしく食べるための工夫を凝らし、地域独特の漬物文化ともいえるものがつくられてきました。夜なべをする囲炉裏の上に吊るされたのは縄でなった大根。囲炉裏の煙で燻され、独得の風味が生まれた大根は、桶に漬け込み、冬の間の貴重な食料としました。
忙しい農作業の合間に、女性たちが丹精込めて漬ける漬物は、副菜としてもお茶請けとしても、なくてはならないものになりました。湯沢雄勝の漬物名人と呼ばれるお母さんたちは、今日も家族のためにおいしい漬物で食卓を豊かにしてくれるのです。
2. 湯沢の漬物いろいろ
A. いぶり大根
薪の煙でじっくりいぶされた大根を独自の製法で漬け込んだ秋田を代表する漬物
B. 花ずし
輪切りにしたナスに黄色い食用菊と赤トウガラシが花を咲かせる見た目にも美しいナスの漬物
C. なた漬
なたで切ったような乱切りの大根を甘酒に漬け込んだ漬物は、主に冬に作られる懐かしい味
D. みそ漬け
麹を多めに使った味噌に漬け込まれるため、みそと野菜のうま味がギュッと詰まり、ごはんがすすむ郷土の味
E. 粕漬け
夏まで寝かせて柔らかく、甘くなった酒粕をベースにウリやキュウリを漬けこんだ酒どころならではの漬物
3. 湯沢の漬物専門店
株式会社雄勝野きむらや
昭和38年創業。自然豊かな環境の中、いぶり大根などを中心に地元に伝わる各種漬物を、素材本来の風味を大事に無添加にこだわって造り続ける。特に収穫から製品まで手間をかけてつくる「いぶりがっこ」は、店を代表する人気商品。
住所 | 湯沢市下院内字常磐町91 |
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お問い合わせ先 | Tel 0183-52-3650 |
公式サイト | http://www.iburigakko.com |
有限会社伊藤漬物本舗
「漬ける」「いぶす」をテーマに、地元で採れた新鮮な野菜を昔ながらの味を大切に漬ける老舗の漬物店。2013年リニューアルし、漬物や燻製を中心としたメニューを提供するカフェをオープン。地元食材を使ったこだわりレシピが人気。
住所 | 湯沢市角間字白山下26 |
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お問い合わせ先 | Tel 0183-72-7716 |
公式サイト | http://www.ito-tsukemono.com/index.html |
有限会社小島つけもの
住所 | 湯沢市相川新木野143 |
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お問い合わせ先 | Tel 0183-79-3108 |